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2024.09.13

テンポが走らないためには

 埼玉県川口市のピアノ教室、清水ピアノスクールの清水信守です♪

クラシックピアノの演奏では一般的に、テンポが不自然に揺れることなく一定を保つのが良いとされています。

特にテンポが意図せずにどんどん上がってしまう、いわゆる「走る」という状態はご法度でして、試験やコンクールでは減点の対象となりかねません。

ただ私自身は、演奏中にテンポが上がってしまうこと自体は、そこまで悪いことだとは思っていません。

人間である以上、終始メトロノームに合わせたかのような機械的な演奏は不可能ですし、また曲中の盛り上がりに合わせてテンポが若干速くなるのは自然なことだと思います。

問題は無意識の内に過度に速くなったり、本人が望んでいないのにテンポが走ってしまうことで、これらは避けた方が良いですし、可能ならば直すべきだと思います。

さて、テンポがどんどん上がってしまう方の傾向として「心臓の鼓動や脈拍の上昇にテンポが引っ張られる」ことが挙げられます。

適切な拍節感を持っているのにも関わらず、本番でどうしてもテンポが走ってしまう場合は、十中八九これと考えて間違いありません。

これは言い変えると、自分の心臓の鼓動や脈拍をメトロノームのようにして演奏してしまい、緊張によるその上昇に合わせてテンポがどんどん加速する状態になってしまうことに他なりません。

これを直すためには意識して自分の心臓の鼓動や脈拍を感じないようにし、より強固な拍節感を持ち、それに依って演奏するトレーニングを地道に重ねるしかありません。

もしも特効薬的なものがあるとすると、「背筋を伸ばし少し重心を後ろ寄りにする」、「へその下あたりの下腹を意識する」、「演奏中に意識して呼吸をする」というのが挙げられます。

この中ですと特に呼吸の効果は絶大的で、心臓の鼓動や脈拍を下げる効果も期待できます。

普段の練習の際から意識してこれらに取り組むことが、演奏中にテンポが走るのを防ぐことに繋がります。

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